病院で働く職員の中で、インシデントが多いのは看護師といわれています。
看護師の業務は、医師の指導の元で診察の補助を行ったり、患者の世話を行ったりするため、患者と接する機会が最も多いでしょう。そのため、インシデントの件数も必然的に看護師が多くなるのです。たとえば、患者が一人で勝手に転倒したり、ベッドから転落したりといった出来事も、看護師の観察不足とされてしまうケースが多々見られます。
転倒の原因となるのは、車いすの介助時やトイレ誘導時、歩行介助時などにも起こり得るでしょう。それらも全て看護師のインシデントとなりがちです。
そして、インシデントの中でも多いのが投薬間違い。投薬量や投薬時間を間違える、投薬忘れなどです。薬剤については、一人で行うのではなく他の看護師とのダブルチェックが必須となっている場合が多いですが、その後に他の業務に気を取られて投薬を忘れてしまうミスも少なくありません。
他にも、点滴の際に点滴の速度を間違えたり、点滴が漏れてしまったり、患者自身が点滴チューブを引っこ抜いてしまったりする場合も看護師のインシデントとなるようです。
他にも採血時の患者間違いなどもありますが、最近では、採血時に患者自身に検体スピッツに書いてある名前を読んでもらって確認する病院も増えています。インシデントの要因としては、確認不足や判断ミス、連携不足などが挙げられます。
原因は一つではなく、様々な要因が結びついてインシデントに繋がります。
また、経験年数の浅い看護師ほどインシデントが多い傾向にあるのも特徴といえるでしょう。